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ホーム > Uncategorized > 一粒万倍の種プロジェクト 第2章 ~里山再生編~

一粒万倍の種プロジェクト 第2章 ~里山再生編~

農薬流入から始まる、新しい里山の挑戦

 

 

 

 

1. 背景 ― 忘れられないあの日

2025年7月、私たちの大切に育ててきた田んぼに、突如として農薬・殺虫剤が流入しました。原因は、近隣の元JA職員による過失。自然農を実践し、無農薬で命を育ててきた田んぼにとって、これはあまりにもショッキングな出来事でした。
幸い、すぐに畦を壊し対処したため、土壌に残留の数値はでませんでしたが、土壌微生物への影響は計り知れません。また私たちのお米を楽しみにしてくださっている方々に「本物の安心」を届けるため、苦渋の決断として今後2年間は米を販売しないことを選びました。

 

2.プロジェクトの立ち上げ

当初、流出者への補償請求も検討しました。試算した費用は少なく見積もっても約150万円(米の賠償や土壌改良に必要な費用等)。これは個人に背負わせるにはあまりに大きすぎ、仮に補償を得ても「個人の過失」として問題が矮小化されてしまいます。さらに、地域に深い禍根を残しかねないとも考えました。

今回、農薬を流出させたのは、長年農薬を販売・管理してきた立場の人でした。そのような人ですら過失を犯してしまう――ここにこそ、「農薬が余り、適切に処分されず、流出する」という仕組みそのものの問題があります。

そこで私たちは、個人を追い詰めることよりも、社会全体に問いかける道を選びました。それが「新しい里山挑戦プロジェクト」です。

 

 

 

3.プロジェクトの挑戦

(1)農薬に頼らない田んぼを守る
自然農を実践してきた田んぼが農薬流入により大きな打撃を受けました。今後2年間は販売をやめ、土壌改良と生態系の回復に専念します。収益がなくとも、この問題を公にし、土壌改良を進め、田んぼの未来を守る姿勢を貫くことを選びます。

(2)里山の微生物と生態系を守る
田んぼは森と水の循環の中で成り立っています。目に見えない微生物が土を豊かにし、稲を育て、生き物たちの命を支えています。

私たちは、田んぼだけでなく、森の手入れや水路の保全を進め、里山全体をひとつの生態系として守る取り組みを進めます。森・水・田んぼを一体で保全し、微生物と生き物が豊かに暮らす環境を未来へつなぎます。

(3)耕作放棄地を宝に変える
農薬が流れ込んだあの日、真っ白になった田んぼ、弱っていく生き物たち――その光景は私たちに深い衝撃を与えました。農薬は現代の農業にとって“必要な道具”とされ、多くの人の生活を支えている一方で、扱い方ひとつで自然を大きく傷つけてしまう現実もあります。この出来事は、私たちに問いかけました。「どうすれば、もっと自然と共生できる仕組みにできるのか?」

そこで目を向けるのは、耕作放棄地の再生です。3年以上農薬が使われていない土地は、微生物が豊かに眠る“宝庫”。こうした土地を活かし、次の農の可能性を広げていくことが、農薬に頼らない農業の可能性を広げる第一歩になると信じています。

5.今後の方向性

・目標金額の設定(例200万円)
・活動資金の使途:田んぼの保全・耕作放棄地再生・広報活動
・返礼のアイデア:2025年度産のお米・2026年以降のシェアリングファーム権

 

6.結びに

農薬流入という逆境から、私たちは立ち止まるのではなく、新しい挑戦へと踏み出します。田んぼを守り、里山を守り、未来の食を守る――それがこのプロジェクトの目的です。

この出来事を「個人の過失」で終わらせるのではなく、農薬や里山のあり方を社会全体で考えるきっかけにしたい。そして、共に未来をつくる仲間を増やしていきたい。どうか、この挑戦にご意見をいただき、共感を寄せていただければ幸いです。

振り返れば、春に立ち上げた「一粒万倍の種プロジェクト~耕作放棄地をよみがえらせる」がありました。あの時の思いと今回の挑戦は、一本の線でつながっているように感じます。これは「一粒万倍の種プロジェクト第2弾」と呼べるのかもしれません。小さな一粒の思いから、さらに広がる挑戦を、ここから始めたいと思います。

 

 

 

2025年9月19日

株式会社ファウナバランス
代表 白井寛人

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秦野 森食農フィールド 白井寛人
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