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新しい里山の挑戦

2025/11/09

忘れられないあの日、2025年7月。

夏の日差しが強い日、私は除草作業のために田んぼへ向かっていました。
水路では小さな魚たちが気持ちよさそうに泳いでいて、
思わずスマホでシャッターを切ったのを覚えています。

ここは「柳川生き物の里」。
蛍をはじめ、無数の生き物たちが暮らす豊かな地です。

そんなときでした。
上流の私の田んぼの一画から、地域の方の大きな声が響いたのです。

「大変だ!」

駆けつけてみると――
いつもの田んぼが、まったく違う風景に様変わりしていました。

真っ白に濁った水路、その先に続く田んぼ。
あたり一面に漂う、むせ返るような化学臭。

水面には、小さな魚たちが静かに浮かんでいました。
ほんの数時間前、気持ちよさそうに泳いでいたあの命たちです。

胸が締め付けられ、涙がこぼれました。

――なんてひどいことを。

どれだけの生き物たち、微生物たちが傷ついたのだろう。
土の息苦しい声が、確かに聞こえた気がしました。

 

私たちの大切に育ててきた田んぼの一画に、突如として農薬(除草剤・殺虫剤)が流入したのです。

原因は、地域の方による過失でした。
自宅に余っていた農薬を、適切に処分せず、水路に流してしまったのです。
長年農薬を扱ってきた方でしたが、「このくらいなら大丈夫」という思い込みが、悲しい結果を招きました。

この事実を知った瞬間、怒りで手が震えました。

私たちは、どんなに草が生えようと、虫に食べられようと、
ただひたすら手で草を抜き、無農薬で命を育ててきました。

自然と共に生きる――そう信じてきた日々が、一瞬で崩れ落ちた気がしました。

それでも、地域の方々がすぐに異変に気が付き、畦を壊し対処しました。
なんとか圃場への残留は免れましたが、胸の奥の苦しみは未だ消えることはありません。

土壌微生物への影響は計り知れない。

――元に戻るのにどのくらいかかるのだろう。

夏の陽に照らされ
青々と育つ稲が
あの日は痛々しく見えました。

真っ白になった水の中で、
それでも稲は、強くたくましく
上を向いてまっすぐに伸びている。

その姿を見つめながら
思い至ったのは、私たちのお米を楽しみにしてくださってる方々のことでした。

「このお米をお届けするわけにはいかない。」
私たちは、苦渋の決断として、この区画のお米を2年間販売せず、土壌改良と再生に努めることを選びました。

 

悲しみではなく希望を選んで

どれほど悔しくても、過去は戻せません。
けれど、あの日を「悲しみの終わり」にしたくありませんでした。

あの出来事を”問い”に変えたい。
「なぜこんなことが起きてしまったのか」
「そしてこれからどうすれば守れるのか」―――

当初、流出者への補償請求も検討しました。
試算した費用は、少なく見積もっても約150万円。(米の賠償や土壌改良、検査費用などを含みます)
しかしこれは、個人に背負わせるにはあまりにも大きな額です。

そして何より——
責めたとしても、悲しみしか残りません。

補償を得たとしても、この問題は「個人の過失」として小さく片づけられ、地域にはきっと深い禍根を残してしまう。

だからこそ、私たちは“希望”を選びました。
この出来事を「終わり」にするのではなく、
「再生の始まり」に変えたい。

田んぼだけでなく、地域と、里山と、命の循環をもう一度取り戻したい。

そう思ったとき、見えてきたのは“構造の問題”でした。
今回農薬を流出させたのは、長年農薬を販売・管理してきた立場の方でした。
そのような人ですら過失を犯してしまう――。「農薬が余り、適切に処分されず、流出する」という
社会の仕組みそのものに課題があるのではないでしょうか。

この出来事を、誰かの責任で終わらせるのではなく、
地域みんなで考える“きっかけ”に変えよう。
そう私たちは決めました。

その一歩として、地域の農家さんに向けて今回の報告書を作成し、「もしご自宅に余って処理に困っている農薬があったら、一声かけてください」と手紙を添えてお渡ししました。

農薬を責めるのではなく、共に見直し、共に防ぐ。
それが、私たちが選んだ“共生の道”です。

問いを希望に変える挑戦。
それが――
「一粒万倍の種プロジェクト Vol.2 新しい里山挑戦プロジェクト」です。

 

3つの挑戦

(1) 田んぼを癒し、未来へつなぐ

農薬流入の被害を受けた田んぼは、今、静かに再生の時を迎えています。これまでの「無農薬・無肥料」の自然農法から、「有機」という新たなステージへ進みます。

竹林整備で採れ田んぼで使用した竹の炭や、自社の米のぬか、地域の循環資源を活かして土を蘇らせる。化学肥料はもちろん、牛糞等他から持ち込むものには頼らず、あくまで”その地の恵み”で再生する挑戦です。

収益がなくとも、この問題を隠さずに伝え、
大地を癒し、命をつなぐ姿勢を貫きます。
それが、未来の農を守る私たちの約束です。

 

(2) 森と水の循環を取り戻す

田んぼは森と水の循環の中で成り立っています。目に見えない微生物が土を豊かにし、稲を育て、生き物たちの命を支えています。森の手入れが止まれば水は濁り、水が汚れれば微生物が減る。微生物が減れば、稲も田んぼも命が弱ってしまう。

流入の影響を受けた田んぼを保全するだけでなく、
その周囲の森の整備、水路の保全にも力を入れることに決めました。

水がきれいに流れ、微生物が生きを吹き返し、
魚やカエル、トンボが戻ってくるーーー。
そんな里山を取り戻すことが
未来の里山を育てるという私たちの答えです。

 

(3) 耕作放棄地を宝に変える

農薬が流れ込んだあの日、真っ白になった田んぼ、弱っていく生き物たち――その光景は私たちに深い問いを投げかけました。

「どうすればもっと自然と共生できる仕組みにできるのか?」

私たちが次に取り組むのは、長い間手つかずだった耕作放棄地の再生です。

3年以上農薬が使われていない土地は、微生物が豊かに眠る“宝庫”。その土地を田畑としてよみがえらせていく。

命の循環を取り戻す農への挑戦です。

 

ご協力のお願い

 

お米が販売できないということは、一年間頑張ってきた米農家にとっては大打撃です。ですが、私たちはこの時間を土壌の回復をただ「待つ」期間ではなく「育てなおす」期間にしたいと思っています。

多くの方にこの問題を感じ、
共に動き出してほしい。
あなたの一歩が、この土地の未来を変えていくからです。

協力金の利益は、全額、農薬が入った田圃の土壌改良費(土壌改良のための資材と人件費)、検査費、近隣で余っている農薬の処分費用に活用させていただき、ご報告させていただきます。

 

■土壌改良を応援!

土壌改良:ひと口6,600円(税込)

返礼品:お米2キロ

販売は控えることにしましたが、土壌からも農薬の検知はなく、お米自体にも残留農薬は一切検知されておりません。(検査証こちら)試食をしましたが、大変美味しいお米です。

 

■活動で応援!

ファウナバランスでは、循環型農業と里山保全のチーム『秦野田圃×里山フィールドサポーターズ』を運営しております。今回このサポーターズに『サポーターズ+(プラス)』を新設。サポーターズとして一緒に里山保全、田んぼの保全、耕作放棄地の再生に参加しませんか?

(1)サポーターズ+(プラス)

年間会費:66,000円(税込)
活動に参加した方に。月に2回の現地活動(※2名より催行)、お米2キロ、月1オンラインカフェ参加。

(2)パートナーズ

月会費:1,100円(税込)
現地にはなかなか来られないけど応援したい方に。月1オンラインカフェ参加。

※サポーターズに関して詳しくはこちら

 

■里山プレミアムパスで応援!

里山プレミアムパス:ひと口220,000円(税込)
里山の理念に共鳴し、活動全体を応援してくださる特別な支援枠です。現場にはなかなか来られなくても、「想いを支える力」こそが、このプロジェクトの大きな原動力になります。
特典:
・白井寛人のプライベートランチ(年1回ご招待)
・ファウナバランス主催のイベント(月1)に自由参加可能
・特別サポーターとして活動レポートにお名前掲載(任意)

 

なお、協力金の会計は株式会社ファウナバランスが責任をもって管理し、土壌改良・検査・農薬処分の進捗および収支報告を、年2回(春・秋)、公式サイトにて公開、メールにてお送りいたします。ご支援いただいた皆さまへの報告を欠かさず、透明性を大切にしてまいります。

※本プロジェクトは任意のご支援をお願いするものであり、寄附金控除の対象にはなりません。領収書の発行をご希望の方は、フォームよりお知らせください。

 

<主催・運営>
株式会社ファウナバランス
代表 白井寛人
神奈川県秦野市緑町17-31-103

 

 

どうかこの挑戦に

あなたの想いを重ねてください。

その一歩が、未来の田んぼを

里山を、そして食を守ります。

皆さまのご支援をお待ちしております。

 

 

 

 

 

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