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新しい里山挑戦プロジェクト

 

忘れられないあの日 2025年7月。

あの日見た光景は、今でも目に焼き付いています。

真っ白に濁った田んぼ。

静かに浮かぶ、息絶えた魚たち。

:

:

ついさっき、

気持ちよさそうに泳いでるなと

スマホを手にシャッターを切った

その魚たちでした。

:

:

胸が締め付けられ

涙がにじみ出てきました。

なんてひどいことを。

どれだけの生物が…

私たちの大切に育ててきた田んぼの一画に、突如として農薬・殺虫剤が流入したのです。

原因は、地域の方による過失でした。自然農を実践し、無農薬で命を育ててきた田んぼにとって、あまりにも衝撃的な出来事でした。

幸い、すぐに気が付き、近隣の方の協力のもと畦を壊し対処したため、土壌への残留は免れました。

がしかし、土壌微生物への影響は計り知れません。

思い至った先は、私たちのお米を楽しみにしてくださってる方々です。

―――このお米をお届けするわけにはいかない。私たちは、苦渋の決断として、この区画をお米を2年間販売せず、土壌改良と再生に努めることを選びました。

 

■プロジェクトの立ち上げ~悲しみではなく希望を選んで

当初、流出者への補償請求も検討しました。

試算した費用は少なく見積もっても約150万円(米の賠償や土壌改良に必要な費用等)。

これは個人に背負わせるにはあまりに大きすぎました。

そして何より、責めたとしても、悲しみしか残りません。

それよりも

怒りではなく

希望を選びたかったーーー

なぜこんなことが起きるのか。

どうすれば、再び起こらない仕組みを作れるのか。

そこに向き合いたかったのです。

今回農薬を流出させたのは、長年農薬を販売・管理してきた立場の人でした。そのような人ですら過失を犯してしまう――「農薬が余り、適切に処分されず、流出する」という仕組みそのものの問題があると感じました。

だから私たちは、個人を追い詰めるのではなく、社会全体に問いかける道を選びました。

それが「一粒万倍の種プロジェクト Vol.2 ― 新しい里山挑戦プロジェクト」です。

 

■3つの挑戦

 (1) 農薬に頼らない田んぼを守る

自然農を実践してきた田んぼが農薬流入により大きな打撃を受けました。今後2年間は販売をやめ、土壌改良と生態系の回復に専念します。

収益がなくとも、

この問題を隠さずに伝え、

大地を癒し、命をつなぐ姿勢を貫きます。

それが、未来の農を守る私たちの約束です。

(2) 里山の微生物と生態系を守る

田んぼは森と水の循環の中で成り立っています。目に見えない微生物が土を豊かにし、稲を育て、生き物たちの命を支えています。流入の影響を受けた田んぼを保全するだけでなく、

その周りの森の手入れをし、

水路の保全を通して、

水の循環と命のつながりを取り戻していきます。

それが、未来の里山を育てるという私たちの答えです。

(3) 耕作放棄地を宝に変える

農薬が流れ込んだあの日、真っ白になった田んぼ、弱っていく生き物たち――その光景は私たちに深い問いを投げかけました。

「どうすればもっと自然と共生できる仕組みにできるのか?」

そこで目を向けたのが、耕作放棄地の再生です。3年以上農薬が使われていない土地は、微生物が豊かに眠る“宝庫”。その土地を田畑としてよみがえらせることこそ、農薬に頼らない農業の可能性を広げる第一歩になると信じています。

■私たちの想い

農薬流入という逆境から、私たちは立ち止まるのではなく、新しい挑戦へと踏み出します。

田んぼを守り、

里山を守り、

未来の食を守る――

この出来事を「個人の過失」で終わらせるのではなく、農薬や里山のあり方を社会全体で考えるきっかけにしたい。そして、共に未来をつくる仲間を増やしていきたい。

振り返れば、春に立ち上げた「一粒万倍の種プロジェクト~耕作放棄地をよみがえらせる」がありました。あの時の思いと今回の挑戦は、一本の線でつながっている。そう思ったとき、自然とこの名前が浮かびました。「一粒万倍の種プロジェクト第2弾」―――希望の芽を、またここから。

 


ご協力のお願い

お米が販売できないということは、一年間頑張ってきた米農家にとっては大打撃です。ですが、私たちはこの時間を土壌の回復をただ「待つ」期間ではなく「育てなおす」期間にしたいと思っています。

多くの方にこの問題を感じ、

共に動き出してほしい。

あなたの一歩が、この土地の未来を変えていくからです。

 

 

■お米で応援!

お米5キロ:6,000円+消費税8%

販売しないと決めたお米ですが、土壌からも農薬の検知はなく、もちろんお米も残留農薬は検知されておりません。大変美味しいお米です。(検査証こちら)

■サポーターズで応援!

ファウナバランスでは、循環型農業と里山保全のチーム『秦野田圃×里山フィールドサポーターズ』を運営しております。今回このサポーターズに『ジュウジローズ』を新設。サポーターズとして一緒に里山保全、田んぼの保全、耕作放棄地の再生に参加しませんか?

ジュウジローズ一年間会費:66,000円(税込)

活動:月に2回※2名より催行、お米2キロ、月1オンラインカフェ

 


 

里山は、生きている。

私たちが手を入れることで、

再び息を吹き返す。

この挑戦は、

田んぼだけでなく、

未来の希望を育てる物語です。

 

ファウナバランス

白井寛人

 

 

 

 

秦野 森食農フィールド 白井寛人
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